子ども優先の本当の意味 お菓子で子どもを操るご褒美育児の危険

ご褒美育児という言葉は勝手な造語ですが、「これあげるからそれやって」と言われご褒美ほしさにやるというしつけの方法を意味します。

特に大人はインセンティブやボーナスなどでご褒美を提示しながら成長や成果を促すことはよくあります。大人はそれでもいいと思いますが、良いことも悪いこともなんでも吸収してしまう子供にそれをやるとどうなるでしょうか。

着替えやお片付けをしたらお菓子あげる

ある日の朝「お着替えをしたくない」と子どもがぐずりました。何を言ってもダメ。大好きなテレビやビデオをつけてみてもお着替えさせようとした途端泣きわめく。
パパママはお手上げで「ちゃんとお着替えしたらお菓子あげるからやって」とご褒美で誘導してしまいました。

お菓子あげるから、お着替えしよ?」そう言ってお菓子をあげ、やる気になった隙にお着替えをさせました。お陰で子供はニコニコ。パパママもニコニコ。

「お着替えできてえらかったね~」なんて。さて、一度そんな甘い蜜を吸った子はどうなるでしょうか。

次の日、着替えしようと声をかけると「お菓子ちょうだい」といいます。昨日は特別、今日はダメというと泣きわめくんですね。
子供は昨日、着替えしたくないと泣きわめいてみたらお菓子をもらえたのです。泣いてぐずればお菓子がもらえるという部分がインプットされたようです。
そのぐずりは昨日よりも激しくなります。あまりに激しく泣くのでパパママは子供のぐずりに折れて、またお菓子を持ってきます。そして昨日同様お菓子を食べながらのお着替えタイムが始まります。次の日も次の日もそのまた次の日も。もしお菓子で誘導するとしても、明らかに特別な条件があること、本当に条件付きだと伝えないといけないですね。それでも絶対子供は理解できないのでやっぱりエサで釣るしつけはすべきじゃないですね。

お出掛けして抱っこがいいとぐずったときお菓子をあげる

うちは上の子が2歳、下の子が0歳なので、外出したときは下の子は抱っこひもで、下の子は歩くということが基本です。夫婦揃ってみんなで出掛けるときだったらパパが上の子を抱っこ、ママが下の子を抱っこということも可能ですが、パパかママか一人で二人の子を抱っこするのは無理です。

よくあるのですが、上の子はベビーカーに乗るのを嫌がります。「私も抱っこがいい!」と。

しかし下の子は下の子で抱っこじゃないと泣きわめきます。ママとしては上の子にベビーカーに乗ってほしいところです。

そこでバッグをごそごそして、必殺おやつの登場です。「これあげるから、ベビーカーに座って。」おやつを見た子供はご機嫌にベビーカーに座って、おやつを食べながらの帰路です。

子供ニコニコ。お母さんもニコニコ。良かったね。

さてまた別の日です。お察しの通り、この子はベビーカーでお出掛けの度に必ずぐずるようになりました。

なだめてもすかしても「抱っこしてあげるよ」と言っても全部受け付けず、「おかしーおかしー(><)」と泣きます。もはやほしいのは「おやつ」なんです。

チャイルドシートから降ろしてよ~~!車で叫ぶときどうしたらよいか

今度は車でお出掛けの日。車内でおりるおりると泣いてぐずる子供。抱っこ抱っこと。
仕方なく「今日だけ」とチャイルドシートから降ろしたらもう終わり。
「泣けばチャイルドシートから降ろしてもらえる」と学習して完全にインプットされます。子供に「今日だけ」というのは無理なことです。その日以降、車に乗せようとご褒美育児 おこづかいやおもちゃで釣りながら子供を仕向けるしつけはいいのかその子はぐずるようになりました。その日はおやつをあげることで乗せることができるかもしれません。しかしおやつを食べ終わるとやっぱり降ろしてくれと泣くんですね。

パパママは泣いて訴える子どもをどうするべきなのか

おそらくパパやママは、子どもがぐずり続けると負けてしまい、馬の鼻先に人参をぶら下げるようなことをついやってしまいます。しかし、あげるならば、人参は目的地に置いておくべきかもしれません。お着替えがしたくないとぐずるのであれば、お着替えが終わって朝ご飯を食べる時に誉めてあげたり、着替えしたくないとぐずるのであれば、そのまま放っておいてパパママは美味しそうに朝ご飯を食べてしまいましょう。
いつまで経ってもお着替えできないときは朝ご飯はなし!テレビも遊びもお出掛けもなし!
お着替えができるまでは何もなしです。子供との根気比べになるかもしれませんが決して折れてはいけません。
遊びでもぐずりでもなんでもそうですが、結局
は子どもとどっちが長く貫けるかの根気比べです。大人も疲れますが、自分の子どもが「泣いてわめいたらみんな自分の主張が通る自己中でワガママ」という精神が形成されてしまうかも…と思うと、そんなんじゃいかん!と思えてきます。

三つ子の魂百まで

子どもをエサで釣るようなことをついついしてしまったり、子供のワガママに妥協してしまったりしたあと、ふと「三つ子の魂百まで」という言葉が浮かびます。
本当に2歳3歳ころにワガママが通ると脳に染み込んだら、一生その方法で相手を困らせるかもしれないと考えてしまいます。

ワガママやぐずったときどんな風に伝えるか

2才の子供がワガママやぐずったときにどんな風に伝えていくか本当に難しいです。この頃のこどもは情緒面も敏感で、むやみに恐怖で支配するのはそれはそれでよくありません。かといってぐずったら子供なりに求めていることが満たされないと落ち着きません。

でも、これはもう心を鬼にして耐えるしかないですね。中途半端に毎回態度を変えたり、パパとママで極端に正反対のことを言ったりすることは子どもが混乱するため避けなければなりません。父か母のどちらかが強く怒ったときはどちらかがフォローしないとですが、その他は子どもが迷わないように同じように伝えることだろうなぁと思います。
そして、どんなに時間がかかっても子どもが受け入れてできたならば、たくさん褒めてあげたいと思います。
こうすることで「ぐずってもだめなんだな。」ということを子供は学び、やることをやれば認めてくれると安心してくれそうな気がします。

お約束もだんだんできるようになってくる

ベビーカーの場合は、お出かけ前に子供とお約束をします。「公園いくよ。ベビーカーにちゃんと乗れるかな。帰りも乗れるかな。できない人は公園には行けないよ」と。初めの日はぐずりました。でも「お約束は何だっけ?」とちゃんと乗れるまではそこから動かないのです。「お腹すいたね。お昼ごはん何食べようか。」「喉渇いたね。帰ったら氷の入った冷たいお水飲もうか」など、家に帰りたくなるような言葉掛けで子供をその気にさせてエサで釣る感じでなく自分から自然にできるようになってきます。

ベビーカーに乗ることができたら、たくさん褒めて「また公園に遊びに来れるね」と次の楽しみをあたえるとご褒美でなくお互いに分かち合える感じになってきて成長を感じます。

チャイルドシートの場合も同様です。乗る前にお約束をします。「どこに何をしに行くのか」目的を伝え楽しみを作り「帰りもきちんと乗れないと行くことができないよ。」と伝え、車の中ではどんなに泣いても走行中はチャイルドシートからおろしません。もし降ろすのであれば車を安全な場所に停めてからで、座らないと車が動かないという態度でいます。
運転中に子どもを抱っこしたり、窓を開けてお外に顔を出している車を見かけることがありますが、異常事態以外は法律的にも子どもはチャイルドシートということになっていますし、どう考えても危ないので、運転中に子どもをチャイルドシートから下ろすのは絶対やめようと夫婦で決めました。

子供の言い分を優先ではなく、子供と向き合うための時間を優先する子ども優先

子育ては根比べ、体力も精神力も使います。ぐずる子供との対決は本当に長時間に及びます
大人の方も忙しく疲れていて、すぐに折れて子どものご機嫌とりに走り勝ちになります。
その日の予定が全てダメになってしまうかもしれません。

しかし、その子の根底に「ダメのものはダメ」を築くことが今後のその子の為にもなっていくのではないかと最近本当に強く感じ、子供優先(子供の言い分を優先ではなく、子供と向き合うための時間を優先する)を意識するようになりました。

子ども優先といいながら、子どもに本当に優先すべきは、こどもよりも長く親として向き合う時間を貫くことなのかもしれないとなんとなく感じる今日この頃のパパでした。