ビストロボスの評価、缶インスタントスープ市場のマーケティング

缶コーヒーのBOSSからビストロボス

サントリーのボスといえば缶コーヒーのイメージが強いですが、自動販売機限定でビストロボスと言うスープ飲料のラインナップがスタートしていました。自動販売機で売られている飲み物としては、コーンスープや味噌汁があることはたまに目にしていましたが、ボスという冠をつけてされていたので気になって飲んでみました。

ビストロボスとは

ビストロボスというシリーズは、「コーヒーづくりで培ったコク出し技術を使い、コク深い味わい」に仕上げたスープのようです。

ビストロボスを飲んでみた感想・評価

ビストロボスを飲んでみた感想について紹介したいと思います。(個人の感想です)
砂糖・玉ねぎの甘さがベースにあり、そこに塩、ビーフ系の香り付けと、胡椒が強めに効いた濃いめのスープという印象です。缶の表面にも、玉ねぎとビーフの旨みスパイシーコンソメスープと書かれていますが、その表現そのままの味です。描かれたイメージ写真には固形の玉ねぎが入っていたので、固形の玉ねぎも入っているものかと思って飲んだため物足りなさを感じてしまいました。

缶スープ・インスタントスープ市場のマーケティング

ビストロボスって、なんで販売しようと思ったんだろうと裏側を考えたい思考回路が働いてしまい、サントリーのサイトを見てみると、ビストロボスの缶スープシリーズは自動販売機のみの販売となっております。マーケティング面を考えるとき興味深い事例だと思いました。

おそらくスープ飲料は、粉末をお湯に溶くインスタントスープがかなり流通しており、しかもインスタントスープ一杯あたりの単価にすると数十円という安さになるので小売店で缶スープを130円ほどで店頭販売するのはちょっときついと考えたのかもしれません。

粉末インスタントスープ市場や、インスタントカップスープ市場、レトルトスープなどは競合が多く、長年その市場でインスタントスープを販売している他社ブランドも確立されているため、粉末や小売店に展開する場合厳しそうな印象です。ただし、缶という特性を生かして、生コンソメスープの素として「料理に使う」というジャンルはなんとなく流行りそうな感じがします。「ビストロボス活用法」的なマーケティングで料理をする人たちの購買を促すとかはあり得そう…。

缶スープを購入する状況とは

缶スープは、外出先などでお湯もカップも手に入らない場面で、あったかくてしょっぱい飲み物がすぐ飲みたいという需要に対して、多少割高感があっても買ってもらえるのではないかと言う感じかなと思います。

自動販売機の選択肢、メーカーの枠取り競争

自動販売機という販売方法は、自動販売機ごとに15~30種類くらいの商品が入れられており、その枠を飲料メーカー各社が置いてもらえる工夫をする形です。限られた販売枠で、コーヒーや清涼飲料水などの枠を少しでも奪えるような戦略としてビストロボスを始めたのかもしれませんね。

缶コーヒーから客が離れ、どんな価値を求めているのか

ボスが長年不動の地位を確立してきた缶コーヒーと言う提供方法を脅かしている、コンビニ各社が缶コーヒー一本よりも安い価格で販売する挽き立てコーヒーシリーズで、缶コーヒーそのものの存在に危機感があるのかもしれません。実際クラフトボスなど、ペットボトルという形態が持つ大容量や携帯のしやすさという価値で対抗している形になっています。

コーヒーなどの嗜好品のブランディングとして最近多いですが、「品質や香りにめちゃめちゃこだわり抜きました感」を出すことで味見で一度飲んでみるアクションは結構引き出せているような気がします。缶コーヒーなどに付けられているキャッチコピーは本当に秀逸だと思います。

缶コーヒーを毎日飲む人もいらっしゃいますが、おそらく多くの人がロングセラー商品をリピートする形で飲んでおり、ボスという缶コーヒーシリーズの中でも特定の数種類が実販売数の大半なのではないかと思います。そのような中で、他社も自動販売機で他のメーカーよりも多く枠を取り、長く置いてもらい、たくさん販売できるような商品をいろいろな切り口で探ってきているので、缶コーヒーや清涼飲料水という枠を超えた競争の激しい市場だなあと感じます。

自動販売機の将来は水やお湯で飲み物を作るツールのシェア?

個人的には、ウォーターサーバーと、耐熱の紙コップが自動販売機のようになっていて、各自が粉末スープなり、ティーパックなり好きな飲み物を作れるような機器がそのうちそこら中に出てくるだろうなぁと思っています。バリエーション豊かな飲み物を作る汎用性や、機器のメンテナンスなどのコストを考えるとおそらく悪くないですし、私を含め潜在的には「別にお湯とカップだけあればコンビニでコーヒーもいろいろなスープやインスタントラーメンなども買えるしいいんだけどな」というニーズを密かに持っているような気がしています。調査してみないとわからないですけれどもね。

ビストロボス 玉ねぎとビーフの旨味スパイシーコンソメスープの原材料

実はアマゾンとかでも売ってますね・・・(笑)

砂糖、食塩、ビーフパウダー、酵母エキスパウダー、デキストリン、粉末しょうゆ、オニオンパウダー、粉末動物油脂、食用植物油脂、調味料(アミノ酸等)、安定剤(セルロース)、香料、乳化剤、カラメル色素、香辛料抽出物、ビタミンB