あなたの窓が結露する理由とその解決策、補助金も使える!

窓に結露が発生すると、視界が遮られたり、カビの原因になったりと、様々な問題が生じます。しかし、なぜ窓に結露が発生するのか、どうすれば結露を防げるのか、具体的な解決策は何なのか、はっきりと理解している方は少ないかもしれません。窓が結露する理由とその解決策について詳しく解説します。

家の窓が結露する理由:飽和水蒸気量とは?

窓が結露するのは、室内外の温度差が大きいためです。具体的には、室内の暖かい湿気が冷たい窓ガラスに触れて水分が凝縮し、結露となって現れます。冬季に暖房を使用しているときに特に起こりやすく、特に単板ガラスの窓では、冷たい外気と直接触れ合うために結露が発生しやすいのです。

結露とは、温度が下がった空気が持てる水蒸気量(飽和水蒸気量)を超えてしまったときに、余分な水蒸気が水滴となって現れる現象です。では、家の窓が結露する理由と飽和水蒸気量との関連について詳しく見ていきましょう。

飽和水蒸気量とは?

飽和水蒸気量とは、ある温度の空気が最大限に保持できる水蒸気の量のことを指します。温度が上がると、空気が保持できる水蒸気の量も増えます。つまり、暖かい空気は多くの水蒸気を含むことができます。

逆に、温度が下がると空気が保持できる水蒸気の量は減ります。このとき、空気中の水蒸気量が飽和水蒸気量を超えている場合、余分な水蒸気は液体の水となり、これが結露として現れるのです。

湿度が何パーセントと言われて「へ~」となんとなく聞き流していしまいますが、そもそも湿度とはどんな値なのか一緒に考えてみましょう。
空気中には水が気体としていられる量に制限があります。これを「飽和水蒸気量」と言います。
例えば、気温が20℃の空気、1立方メートルには水が17.2グラムまで水蒸気として存在できます。20℃の場合には、17.2グラムを超えた分は液体の水にならざる得ないという事です。

飽和水蒸気量

湿度とは 飽和水蒸気量と気温の関係から冬の乾燥と加湿を考える(介護健康福祉のお役立ち通信)

窓に結露が発生する理由

では、なぜ家の窓に結露が発生するのでしょうか。それは、窓が冷たいため、窓付近の空気温度が下がり、その結果として飽和水蒸気量が下がるからです。

室内は暖房等で暖かく保たれているため、空気中には比較的多くの水蒸気が含まれています。しかし、窓ガラスは外部の冷気と直接触れ合うため冷たく、窓近くの空気の温度も下がります。その結果、窓近くの空気の飽和水蒸気量が下がり、それを超える水蒸気が水滴となって結露として現れるのです。

結露防止のためには

結露を防ぐためには、窓周辺の温度を下げないようにすることが重要です。窓の断熱性能を高める、窓辺での直接的な冷暖房を避けるなど、窓周辺の温度を一定に保つ工夫が必要です。

また、室内の湿度を適切に管理することも大切です。湿度が高いと、同じ温度でも飽和水蒸気量を超えやすくなり、結露が発生しやすくなります。除湿機能付きの空調機器や除湿剤の利用、そして適切な換気によって湿度を調整することが効果的です。

結露は、窓だけでなく壁や天井にも発生する可能性があります。特に冬季には、室内の暖房と外部の寒気との間で大きな温度差が生じ、結露が発生しやすくなります。このため、結露対策は全体的に行うことが重要であり、適切な温湿度管理と断熱対策が必要となります。

このように、飽和水蒸気量という概念を理解することで、窓が結露する原理を理解し、それに基づいた結露対策を行うことが可能となります。結露は見た目の問題だけでなく、カビの発生など健康にも影響を及ぼす可能性があるため、早めの対策が重要です。

結露対策商品の活用は根本的な結露対策にはならないが

市販されている結露対策商品はほとんどが根本的な解決策ではなく、結露が発生してしまった状態でどんな風に雫に対処するかというものです。窓ガラスに直接貼る結露防止シートや、窓枠に設置する結露防止スポンジなどがあります。これらは、結露を直接吸収するため、即時的な対策としては有効です。ただし、これらはあくまで一時的な対策であり、根本的な解決には至らないため、他の対策と併用することが推奨されます。

結露問題を一掃!その場しのぎの3つのシンプルな対策法

冬の季節、窓や壁に結露が発生し、それが原因でカビが生えたり、壁紙がはがれたりと、様々な問題を引き起こすことがあります。結露は生活にストレスをもたらし、家の構造にもダメージを与える可能性があります。しかし、適切な対策を行えば、結露の問題は軽減することが可能です。この記事では、結露問題を一掃するための5つのシンプルな対策法をご紹介します。

1. 換気を適切に行う

結露は、室内の湿度が高いときに特に発生しやすいです。室内の湿度を適切に保つためには、定期的な換気が必要です。特に、料理や入浴後など、湿度が高くなりやすいタイミングでの換気は効果的です。窓を全開にする必要はありません。少し開けておくだけでも、室内の湿度を抑える助けになります。

2. 暖房器具の利用

結露は、冷たい窓ガラスに暖かい室内の空気が触れることで発生します。そのため、部屋を適度に暖かく保つことで、窓ガラスの結露を防ぐことができます。暖房器具を使用する際は、部屋の湿度が上がらないように注意が必要です。湿度が高いと、結露の原因となります。

3. 結露吸収シートや除湿剤の利用

結露吸収シート・結露テープや除湿剤は、結露対策の助けとなるアイテムです。特に、結露吸収シートは窓ガラスに貼るだけで、結露を吸収してくれます。また、除湿剤は、部屋全体の湿度を抑えるのに有効です。しかし、これらのアイテムは一時的な対策であり、根本的な解決にはなりませんので注意が必要です。

適切に断熱することが根本的な結露対策である!

1. インサレーション(断熱材)の設置

窓や壁からの冷気を遮断するために、インサレーショョン(断熱材)の設置を検討しましょう。インサレーションは、室内の温度差を緩和し、結露の発生を抑える効果があります。インサレーション材は、窓用の断熱シートや窓枠に貼る断熱テープ、壁用の断熱シートなどがあります。シート型やテープ型、スプレーで吹きかけるタイプの断熱材だとほんの僅かで効果は期待できません。はにかむスクリーンなど、ある程度、空気層などの厚みがあり冷気と暖気を完全に遮ってくれるタイプのものを窓に設置するなどは効果的でしょう。

2. 二重窓や高性能ガラスの導入(インプラス・プラマードなどの内窓)

結露対策に最も効果的なのは、二重窓や高性能ガラスの導入です。二重窓は、二つのガラスの間に空気層があるため、外気と室内の温度差を緩和し、結露の発生を抑えます。また、高性能ガラスは、断熱性能が高く、結露の発生を大幅に減らすことができます。初期投資は必要ですが、長期的に見ると結露対策に効果的です。

以上、結露問題を一掃するためのおすすめ5つのシンプルな対策法をご紹介しました。これらの対策法を組み合わせることで、さらに効果的な結露対策が可能です。結露が発生しやすい季節に向けて、ぜひ取り入れてみてください。快適な室内環境を保ちながら、家の構造も守ることができます。

内窓インプラス・プラマードが結露対策に効果的な理由

家の窓に結露が発生すると、視界が遮られたり、カビの原因になったりと様々な問題が発生します。結露を防ぐための対策の一つとして、「内窓」の設置があります。ここでは、特にインプラスやプラマードといった内窓が結露対策に効果的な理由について詳しく見ていきましょう。

内窓とは?

内窓とは、既存の窓の内側に新たに設置する窓のことを指します。内窓を設置することで窓の断熱性能が向上し、室内の温度差を緩和することができます。これにより、窓ガラスが冷えにくくなり、結露の発生を抑制することが可能となります。

インプラス・プラマードの特長

インプラスやプラマードは、窓の内側に取り付けることで、二重窓のような効果を得られる商品です。それぞれには以下のような特長があります。

  1. 高い断熱性能:インプラスやプラマードは、窓の断熱性能を高めることで、室内外の温度差を緩和します。これにより、窓ガラスが冷えにくくなり、結露の発生を抑えることができます。
  2. 音楽防音性能:これらの内窓は、音の遮音性能も高める効果があります。特に都市部などでは、騒音対策としても役立ちます。
  3. 設置の簡易さ:内窓の設置は、大掛かりな工事が不要で、既存の窓枠に取り付けるだけで完了します。これにより、工事費用や時間を節約することができます。

結露対策は、見た目の問題だけでなく、カビの発生を防ぐためにも重要です。インプラスやプラマードのような内窓を設置することで、結露の発生を抑えるだけでなく、快適な生活環境の実現にもつながります。

内窓のリフォームなど、補助金の活用も

先進的窓リノベ事業というものがあり、補助対象期間内に既存住宅の住宅所有者等が窓(ガラス)の断熱改修を目的としたリフォーム工事を行うものです。窓リノベ事業者と契約し、窓の交換を行う者が対象となります。対象者は窓リノベ事業者との契約締結、住宅所有者等であること、そして既存住宅の所有者であることなどが要件となっています。

対象となる工事




ガラス交換

既存窓のガラスのみを取り外し、既存サッシをそのまま利用して、複層ガラス等に交換する工事

障子枠(ガラス+フレーム)のみを交換し、枠を交換しない、
または新たに設置しない場合にも、ガラス交換として取扱います。

内窓設置

既存窓の内側に新しい窓を新設する または 既存の内窓を取り除き、新しい内窓に交換する工事

外窓交換

カバー工法

既存窓のガラスを取り外し、既存窓枠の上から新たな窓枠を覆い被せて取り付け、複層ガラス等に交換する工事​

はつり工法

既存窓のガラス及び窓枠を取り外し、新たな窓枠を取り付け、複層ガラス等に交換する工事​

結露や温度変化の激しい住宅は体に悪いです!結露の一時的な対策よりもリフォームの検討を

結露や温度変化の激しい住宅環境は、快適さだけでなく健康にも影響を及ぼします。冷たい窓から発生する冷気は、冷え性や関節痛の原因になることがあります。さらに、結露が原因でカビが発生すると、それがアレルギーや喘息を引き起こす可能性があります。

結露対策としてよく用いられる一時的な対策、例えば結露取りシートや除湿剤などは、一定の効果はありますが、これらはあくまで結露の結果を処理するもので、原因を解決するものではありません。

より根本的な対策として、住宅のリフォームを検討することをお勧めします。窓の断熱性能を高めることで、窓からの冷気を防ぎ、室内の温度変化を緩和することが可能です。特に内窓を設置するリフォームは、結露対策だけでなく、断熱性や遮音性を高めることも可能であり、住宅環境の総合的な改善を図ることができます。

内窓のリフォームは、既存の窓枠に新たな窓を追加するだけの比較的簡単な工事で、大規模な建て替えやリノベーションに比べても費用や手間が少なくて済みます。さらに、一部の自治体では、エコリフォームや省エネリフォームに対する補助金制度を設けており、これを利用すればリフォーム費用の負担を軽減することも可能です。

健康と快適さを保つためには、結露対策だけでなく、住宅全体の温湿度管理が重要です。一時的な対策に頼るのではなく、リフォームによる根本的な解決を検討してみてはいかがでしょうか。