LANケーブルの規格は日々進化しており、特に高速で安定したネットワーク接続を求める環境では、最新のCAT8規格のケーブルが注目されています。しかし、実際にCAT8ケーブルに変更することで速度が変わるのか、それとも変わらないのか、はたまた遅くなるのか疑問に思う方も多いでしょう。本記事では、CAT8ケーブルの特徴や他の規格との違いを比較し、CAT8ケーブルに変更することで実際に速度がどのように変化するのかを詳しく解説します。
CAT8規格のLANケーブルとは
CAT8規格のLANケーブルは、現在市場で利用可能な最も高性能なネットワークケーブルの一つです。CAT8ケーブルは、最大40Gbpsのデータ転送速度をサポートし、2000MHzの周波数帯域幅を提供します。この規格は主にデータセンターや企業のネットワーク環境で使用され、高速かつ安定した接続を必要とする場所に適しています。
CAT8ケーブルは、シールドケーブルとして設計されており、外部からの干渉を最小限に抑えるための対策が施されています。そのため、ノイズの多い環境でも信頼性の高いデータ転送を実現します。一般家庭や中小企業のネットワーク環境では、ここまでの性能は必要ない場合が多いですが、将来的なネットワーク拡張や高性能な接続を求める場合には有効です。
CAT8、CAT7、CAT6A、CAT6、CAT5の違い比較表
以下の表は、各カテゴリーのLANケーブルの主要な仕様を比較したものです。
規格 | 最大データ転送速度 | 周波数帯域幅 | 最大ケーブル長(速度保証) | 用途 |
---|---|---|---|---|
CAT8 | 40Gbps | 2000MHz | 30m | データセンター、企業ネットワーク |
CAT7 | 10Gbps | 600MHz | 100m | 企業ネットワーク、高速家庭ネットワーク |
CAT6A | 10Gbps | 500MHz | 100m | 企業ネットワーク、高速家庭ネットワーク |
CAT6 | 1Gbps | 250MHz | 100m | 一般家庭、オフィスネットワーク |
CAT5e | 1Gbps | 100MHz | 100m | 一般家庭、オフィスネットワーク |
CAT8は最新の規格なだけあって、ずば抜けて早いですね。家庭用というよりも、この表のようにデータセンター内で利用してもらうことで末端のユーザーにも恩恵があるかも・・・というレベルのものです。でも一応Amazonなどでも一般用のCAT8LANケーブルは売っているので、買ってはみました。
光回線のONUとルーターをつないでるLANケーブルをCAT8に変えてみた結果
光回線でインターネットに接続するには、引いてきた光ファイバーを「ONU」という機器に接続して、これにルーターをつなぎます。私はGMOとくとくBB光なので、そもそもCAT8が必要になるような速さではないのですが(笑)、ONUとルーターをつないでるLANケーブルは工事の人に付けてもらってしまったので、もしかしてすごく性能が低いものだったりして本来の速度出てないのではないかな?と思い検証かねて買ってみたという次第です。
まぁ、特段速度は変わりませんでしたね(笑)
CAT8規格のLANケーブルに変更すると速度は変わる?変わらない?
CAT8規格のLANケーブルに変更することで速度が変わるかどうかは、使用環境や他のネットワーク機器の性能に大きく依存します。具体的には以下のポイントが重要です。
そもそもネットワーク機器が40Gbpsも出力できないと速度も変わらない
CAT8ケーブルは40Gbpsの速度をサポートしますが、接続するルーターやスイッチ、ネットワークカードなどの機器も同様に40Gbpsに対応している必要があります。もし機器が対応していなければ、CAT8ケーブルを使用しても速度向上は期待できません。
そもそも通常のインターネット接続の速度は40Gbpsも出ないので変わらない
家庭やオフィスのインターネット接続速度が1Gbps以下であれば、CAT6やCAT5eケーブルで十分です。インターネット接続速度がボトルネックとなっている場合、CAT8ケーブルに変更しても実際のインターネット速度は変わりません。
CAT8ケーブル長と配置
CAT8ケーブルは30mまでの長さで最大性能を発揮します。ネットワーク内のケーブル長が30mを超える場合、速度低下が発生する可能性があります。また、適切な配置や配線がされていない場合、性能を最大限に引き出すことができません。
CAT8ケーブルは電磁干渉を受けにくいので安定
CAT8ケーブルはシールドが施されているため、電磁干渉に対して非常に強いです。ノイズの多い環境で使用する場合、他の規格のケーブルに比べて安定した接続を提供します。
結論
CAT8規格のLANケーブルは、非常に高性能であり、特定の環境下では大きなメリットを提供します。しかし、実際に速度が向上するかどうかは、ネットワーク機器の対応状況やインターネット接続速度、ケーブルの配置などに依存します。一般家庭や小規模オフィスでは、現在のインターネット接続速度や使用環境に応じて、CAT6AやCAT7ケーブルでも十分な性能を発揮する場合が多いです。
おまけ:家庭の光回線でWi-Fiを速くしたいなら
それよりも、多くの家庭ではWi-Fiでインターネットを利用していると思うので、Wi-Fiの周波数の2.4GHzと5GHzをちゃんと使い分ける方が速度はかなり早くなります。具体的には、速度が速い5GHzの方の回線を優先で利用することです。NECのルーターの場合、「a」と「g」があり、a=5GHz(速い)、g=2.4GHz(遅い)です。初期設定だと、2.4GHz(遅い)の方につながってしまうことが多いです。ルーターの設定を変えるとa=5GHz(速い)に優先でつながるようにできます。a=5GHzの無線は距離が少し狭くなるので、届くのであればa=5GHzを利用する設定にすることで速度が速くなりますよ!