洗濯しても消えないポロシャツや服の悪臭の原因菌と臭いの撃退法

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ポロシャツや厚い生地の服の納豆のような生乾き臭の原因「モラクセラ菌」と言われています。 モラクセラ菌は人の肌・口・気管などに誰でもいる常在菌で、そのほかにも家の中どこにでも住んでいます。モラクセラ菌はそれくらい普通にいる菌なので、新品の服やタオルでも付着しているのです。新品の衣類やタオルには、餌になる皮脂などがそれほど付着していないため増殖しにくいですが、着用して汗や皮脂を繊維が吸えば、その中に住んでいる菌たちは元気になって悪臭を放ち始めます。
近年の研究をいろいろ調べていくと、臭いの原因は、モラクセラ菌が洗濯物に付着・増殖したあとに、水分や皮脂などを栄養分にして活性化しが臭いを発しするというメカニズムがわかってきています。さらに花王が以下のように「生乾き臭」と「汗様のニオイ」の原因と発生メカニズムも解明しました。

花王の研究により解明された「生乾き臭」と「汗様のニオイ」の原因と発生メカニズム

洗濯後でも気になる衣類のニオイの代表的なものとして、「生乾き臭」と「汗様のニオイ」があります。これまでに花王では、「生乾き臭」と呼ばれる雑巾様臭のキー成分が4-メチル-3-ヘキセン酸(4-Methyl-3-hexenoic acid:4M3H)であり、その発生の原因菌がモラクセラ属細菌であることを解明してきました。一方、洗濯後も気になる衣類のニオイとしては、「汗をかいた後に衣類から発生する汗様のニオイ(着用汗臭)」がありますが、そのニオイの発生メカニズムについては解明されていませんでした。

単離した菌と汗を模した水溶液(モデル汗)を、滅菌した中古衣類片に接種して加湿培養を行ない、経時的なニオイの発生の確認を専門パネラーによる官能評価にて行ないました。また、皮脂汚れ成分を塗布した新品の布片に単離した菌とモデル汗を接種して加湿培養を行ない、着用汗臭成分の生成量をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて解析しました。その結果、マイクロコッカス属細菌に高いニオイ成分生成能が確認されました。

モラクセラ菌の特徴

モラクセラ菌の特徴

・モラクセラ菌は乾燥や紫外線に強い
・モラクセラ菌は熱に弱い
・モラクセラ菌が残った衣類が濡れたり、皮脂の量が増えると水分とともに揮散して臭いを発する

マイクロコッカス属菌(ミクロコッカス)の特徴

マイクロコッカス属菌(ミクロコッカス)は、食べ物によく付着していて、肉や乳製品などを腐らせる菌(変敗)として身近です。例えば牛乳でミクロコッカスが繁殖してしまったときには、活性化の結果粘性が増し、衣類の悪臭と同じような状態になってしまい、食として不適になってしまいます。しかし、ミクロコッカス属の菌は腐らせることを加速させる菌ですが、菌が病原性を有するものはほとんどないというのも特徴です。

食べ物の場合、ミクロコッカス等を窒素ガス封入と80℃で50分加熱等で殺菌

食品を腐らせる菌として食品衛生上注意されているマイクロコッカス属菌は、窒素ガス封入と80℃で50分加熱等で殺菌するというガイドラインがあるそうです。

ポロシャツや厚手シャツなどの袖などの臭さはミクロコッカスとモラクセラ菌の殺菌で解消

ここまで紹介したように、洗濯しても落ちないポロシャツや厚手シャツなどの袖などから発生している納豆のような嫌な臭さは、ミクロコッカスとモラクセラ菌殺菌で解消できるはずです。

除菌と言ったら「ハイター」、ワイドハイターとハイターは全く違う別物

衣類用「ハイター」は塩素系漂白剤


衣類用ハイターの成分は、次亜塩素酸ナトリウムと水酸化ナトリウムで、皮脂のよごれなどを落とす目的でなく、シミを抜いたり、黄ばんでしまった白い生地を漂白するために使います。

「ワイドハイター」は酸素系漂白剤


ワイドハイターの成分は、過炭酸ナトリウム(酸素系)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、アルカリ剤(炭酸塩)、漂白活性化剤、安定化剤、酵素などです。こちらは酸素系漂白剤なので、効果的に使用することで「モラクセラ菌」を減らし、悪臭をなくすことができます。

服の臭さの原因であるモラクセラ菌を駆除して無臭を取り戻す方法

60℃を超える温度で「モラクセラ菌」を徹底除菌する方法

納豆のような、雑巾のような悪臭の原因である「モラクセラ菌」は、60℃以上の温度で増殖しなくなることが、実験で明らかになっているそうです。

おすすめ!服をお湯に浸して臭いをとる方法

一番手軽にできる服の臭いをとる方法は、熱いお湯に浸けることです。生地が痛んだり縮んだりするリスクはありますが、洗濯表示や生地の雰囲気(?)を確認して、80度くらいのお湯に浸けましょう

この時、服は乾いた状態でお湯に浸けましょう!乾いた状態で熱いお湯を布が吸い込むと、繊維の奥にいる菌にも熱が届き効果的です。

服を濡らしてからお湯につけたり、あせびっしょりの服をお湯に浸けたりしても、熱が奥まで届かないため菌が死にません。

アイロンやスチームで加熱して除菌する方法

温度を中(150℃程度)以上で、脱水後の洗濯物にアイロンをかけます。(蒸気が出て、ほぼ乾いた状態になるまでかける)アイロンで除菌する方法は、生地が厚い場合や、縫い目で熱が奥まで届かない場合には縫い目の臭いがとれないこともあります。

コインランドリーの乾燥機など、高温で乾燥させる

衣類が痛む可能性はありますが、コインランドリー乾燥機の多くは80~120℃の高温で乾燥させています。家庭用の乾燥機は、痛みが少なく、高温による事故なども置きにくいヒートポンプ乾燥や、ヒーター式感想などがありますが、60℃の温度まで上がりません。もちろん家庭用の乾燥機でも一部の菌の殺菌はできているのでマーケティング上乾燥機による「除菌」や「殺菌」などの広告をしていますが、最も衣類の臭いにおいの原因になっている「モラクセラ菌」の除菌にはほぼ効果がありません

酸素系漂白剤を効果的に使用して「モラクセラ菌」を徹底除菌する方法

酸素系漂白剤は、約40℃のぬるま湯に溶かして30分つけおきすると効果的に「モラクセラ菌」を除菌でき、生乾き臭をなくすことができます。

酸素系漂白剤には液体タイプと粉末タイプがありますが、どちらかといえば粉末タイプのほうが効果的です。

においの原因を理解して、効果的に衣類の消臭をしましょう!

いかがでしたか?

洗っても落ちない衣類の臭さは、細菌が原因の可能性が高いです。この記事で紹介しましたように、ミクロコッカスとモラクセラ菌の殺菌を意識して対策することで臭いとおさらばできるかもしれません。ぜひ試してみてくださいね!(もちろん自己責任で!)

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